「こちらは通信管理局です。あなたの電話が2時間後に利用停止になります」
「〇〇県警 捜査二課の警察官です。あなたの口座が大規模なマネーロンダリング(資金洗浄)に使われており、このままだと逮捕令状が出ます」
ある日突然、こんな電話がかかってきたら、あなたやご家族は冷静でいられるでしょうか?
いま全国で、実在する本物の警察署の電話番号を着信画面に表示させ、LINEのビデオ通話で「警察手帳」や「逮捕状」を見せて信じ込ませる「ニセ警察詐欺」が猛威を振るっています。
実は、現在の特殊詐欺による被害額全体の約7割が、この「ニセ警察詐欺」によるものです。
「自分は絶対に騙されない」と思っている真面目な人ほど、巧妙な心理誘導で老後資金を丸ごと奪われています。
今回は、間一髪で数千万円の被害を逃れたある家族の体験ストーリーをもとに、犯人が使う3つの巧妙な罠と、本物の警察が「絶対にしないこと」、そして今すぐできる撃退法を分かりやすく解説します!
1. 【ストーリー】72歳の良雄さんの家に鳴り響いた恐怖の電話
平日の昼下がり、自宅リビングでテレビを見ていた良雄さん(72歳)の固定電話が鳴りました。
受話器を取ると、機械的な自動音声が流れます。
『こちらは通信管理局です。お客様の電話が2時間後に利用停止となります。詳細を確認する場合は【1】を押してください』
「えっ、電話が止まる? どういうことだ?」と驚いた良雄さんが慌てて受話器の「1」を押すと、男性オペレーターにつながりました。
「お電話代わりました。実は、あなた名義の携帯電話が不正契約され、大規模な資金洗浄事件に使われていることが判明しました。今から〇〇県警の担当刑事に電話を転送します」
保留音が鳴り、次に電話口に出た男は、非常に厳しいドスの利いた声で名乗りました。
「〇〇県警 捜査二課のヤマダです。詐欺グループのアジトを家宅捜索したところ、あなたの名前のキャッシュカードと通帳が見つかりました」
良雄さんは頭が真っ白になりました。
「め、滅相もない! 私はそんな犯罪に関わった覚えはありません!」
しかし、刑事と名乗る男は冷たく言い放ちます。
「あなたに共犯の容疑がかかっています。このままだと裁判所から逮捕令状が出ます」
LINEのビデオ通話で突きつけられた「警察手帳」と「逮捕状」
パニックで震える良雄さんに、男は早口で指示を畳み掛けました。
「身の潔白を証明したいなら、スマホはお持ちですね? 外部に情報が漏れないよう、LINEのビデオ通話で秘密裏に本人確認を行います」
良雄さんが言われるがままスマホを操作してビデオ通話を繋ぐと、画面には警察の制服を着た男が映っていました。男はカメラの前に、顔写真付きの「警察手帳」と、良雄さんの名前が印刷された「逮捕状」をピタリと突きつけてきたのです。
さらに男はこう言いました。
「あなたのスマホの着信画面を見てください。表示されている番号は、実際に〇〇警察本部の代表電話番号です。疑うなら手元の電話帳で確認してください」
良雄さんが確認すると、確かに市外局番から始まる実在する本物の警察署の電話番号でした。
「本当に警察なんだ……私、この年で逮捕されて刑務所に入ることになるのか……」
完全に信じ切って絶望する良雄さんに、男は一転して親身な口調で囁きました。
「あなたの財産が不正な犯罪資金でないことを証明する必要があります。
口座にある預金をすべて、こちらの安全な『捜査用保護口座』へ一度振り込んでください。資金調査が終わり次第、数日で全額返金します」
娘との偶然の遭遇が、老後資金を救った
「早く振り込んで身の潔白を証明しなければ!」
良雄さんは通帳と印鑑をひったくるように持ち、急いで銀行へ向かおうと玄関を飛び出しました。
しかし、そこで偶然、近所に住む長女の恵子さんとバッタリ出くわしたのです。
「お父さん、真っ青な顔してどうしたの? どこか具合悪いの?」
「恵子! 実は警察から電話があって、私が逮捕されるらしいんだ。潔白を証明するためにお金を指定口座に振り込まないといけない!」
ただ事ではないと直感した恵子さんは、父の手を強く握って叫びました。
「お父さん、落ち着いて! 警察が一般人にお金を振り込ませるなんて絶対にあり得ないよ! 一旦電話を切って、警察の相談ダイヤル『#9110』に確認しよう!」
自宅に戻り、固定電話から警察相談専用電話「#9110」へ連絡したところ、本物の警察相談員から即座にこう告げられました。
「それは今全国で多発している、典型的な『ニセ警察詐欺』です!
お金を振り込む前で本当によかったですね。お父様は一切捜査対象になっていませんよ」
良雄さんはその場にへたり込みました。娘がいなければ、一生かけて貯めた老後資金の数百万円をすべて失うところだったのです。
2. なぜ騙されてしまうのか?犯人の「3つの巧妙な罠」
良雄さんのように、「自分はオレオレ詐欺なんて引っかからない」と自信を持っていた人ほど、この手口に落ちてしまいます。犯人が使う最新の罠は以下の3つです。
| 犯人の巧妙な罠 | カラクリと手口 |
|---|---|
| ① 実在の警察署番号を表示させる | 海外の通信中継機器(発信元偽装ツール)を使い、スマホの着信画面に実在する警察本部の代表番号を偽装表示させています。「番号が本物だから」と信じるのは極めて危険です。 |
| ② ビデオ通話で手帳や逮捕状を見せる | LINEなどのビデオ通話で、ネット通販等で入手した偽の警察制服を着て、精巧な偽造手帳や偽の逮捕状を突きつけてきます。画面越しでは本物と見分けるのは不可能です。 |
| ③ 「逮捕」という言葉で正常な判断力を奪う | 「容疑者」「前科がつく」と脅してパニックに陥れ、冷静に考える時間を与えずに「今すぐ送金すれば助かる」と救済策を提示して誘導します。 |
3. これだけは覚えて!ホンモノの警察が「絶対にしないこと」
警察庁や全国の警察本部も連日強く警告していますが、本物の警察官は以下の行動を100%絶対にしません。
【本物の警察が絶対にしない4箇条】
- ❌ 電話で「あなたが捜査対象になっている」「逮捕状が出る」と予告することはありません。
- ❌ LINEやビデオ通話を使って連絡したり、取り調べを行うことは絶対にありません。
- ❌ スマホやカメラ越しに、警察手帳や逮捕状の写真を見せることは絶対にありません。
- ❌ 「資産保護」「資金調査」「保釈金」などの名目で、口座にお金を振り込ませたり、金塊を買わせたりすることは絶対にありません。
警察や公的機関を名乗る人物から「お金」「口座」「振込」という単語が出た瞬間、それは1000%詐欺だと確信してください。
4. 命の次に大切なお金を守る!今すぐできる3つの対策
もしあなたやご家族の元に不審な電話がかかってきたら、次の3つの行動を徹底してください。
対策①:相手の言う番号にはかけ直さず、「一旦切る」
犯人は「電話を切るな」「誰にも話すな」と脅してきますが、毅然と「家族に確認します」「最寄りの交番に行きます」と言って即座に電話を切ってください。
※着信履歴の番号へそのままリダイヤルすると、偽装回線を通じて犯行グループにつながってしまう危険があります。必ず自分で調べた番号にかけるか、次の「#9110」を使いましょう。
対策②:迷ったらすぐ全国共通の警察相談ダイヤル「#9110」へ
「もしかして本当に警察なのかな……?」と不安になった時は、プッシュ回線から「#9110(シャープ きゅう いち いち ゼロ)」に電話してください。
事件未満の相談を受け付ける警察の専用窓口につながり、経験豊富な専門相談員が詐欺かどうかを即座に判断してくれます。
対策③:固定電話を「常に留守番電話」にする
高齢者をターゲットにする特殊詐欺の約6〜7割は、自宅の「固定電話」が入り口になっています。
- 常に留守番電話設定にしておく(相手の声を確認してから出る)
- 防犯機能付き電話機を導入する(「通話内容を録音します」と自動警告が流れる機種)
これだけで、録音を嫌う詐欺グループは即座に電話を切るため、被害に遭う確率を劇的に減らすことができます。
まとめ:大切なご両親や家族に今すぐ伝えてください!
ニセ警察詐欺の被害者の多くは、真面目で、法律を守り、警察を信頼している一般の市民です。
【家族で共有したい合言葉】
・着信画面の番号が本物でも信じない!
・LINEやビデオ通話で警察手帳を見せてきたら100%詐欺!
・警察がお金を振り込ませることは絶対にない!
ぜひこの記事をきっかけに、離れて暮らすご両親やおじいちゃん、おばあちゃんへ電話をかけて、「警察を名乗る怪しい電話が流行っているから気をつけてね」と一声かけてあげてください。
あなたの一言が、大切な家族の人生と財産を守る最大の防波堤になります!