個人情報が漏えいしたら何をする?慌てず順番に対処するチェックリスト

ニュースやメールで「ご利用中のサービスで個人情報が漏えいした可能性がある」という発表を目にすると、「自分の情報も漏れているのではないか」「今すぐ何かしないと大変なことになるのでは」と強い不安を感じるものです。

しかし、焦って怪しい確認メールのリンクを開いてしまったり、見当違いのパスワード変更だけを行って安心してしまうと、かえって二次被害に巻き込まれる危険があります。

【結論】
情報漏えいの知らせを受けたら、まずは慌てずに「どの種類の情報が漏れたのか」を公式発表で確認することが最優先です。漏えいした項目(パスワード、カード情報、本人確認書類など)によって、取るべき初動の対策はまったく異なります。

この記事では、IPA(情報処理推進機構)や公的機関が推奨する基準に基づき、被害を最小限に防ぐための「正しい6つの対処手順」と、見落としがちな落とし穴を分かりやすく解説します。

目次リスト

個人情報の漏えい報道・通知を見たら「まず種別の確認」から

情報漏えいの報道や通知に触れたとき、最初にやるべきことは「漏えいした情報の種別(何が漏れたのか)」を正確に把握することです。

IPA(情報処理推進機構)の公式案内(2026年10月26日公開「自分の個人情報等が漏えいした際の『対処』と『日頃の対策』」)においても、最初のアクションとして「事業者の公式サイトや公式案内で漏えいした情報の種別を確認する」ことが強く呼びかけられています。

IPA「自分の個人情報等が漏えいした際の『対処』と『日頃の対策』」より。まず漏えいした情報の種別を確認する

直近の事例から学ぶ:何が漏れて、何が漏れていないか

直近の事例として、2026年11月4日に良品計画(無印良品)とクレディセゾンから公表された事案があります。クレディセゾン発行の「MUJI Card」において、カード番号の全桁・MUJI Card ID・生年月日(約109万件、うち現在も有効なカードは約34.5万件)への不正アクセスの可能性が発表されました(10月30日公表のMUJIアプリの顧客情報最大約2,726万件への不正アクセスに続く公表です)。

この事案で注目すべき点は、以下の2つの教訓です。

  • 含まれていない情報を冷静に確認する:同発表では「カード名義人名・有効期限・セキュリティコード」は含まれていないことが明記されています。何が漏れて何が無事なのかを切り分けることで、過度なパニックを防げます。
  • 解約済み・古いサービスでも情報が残っている:今回の対象は「2021年7月までに入会した会員」であり、過去に利用して現在は使っていない・解約したという方でも、サーバー内にデータが残っていたケースが存在します。

「自分はもう退会したから関係ない」と思い込まず、事業者の公式案内を正しく確認したうえで、次のステップに沿って落ち着いて対処を進めましょう。

【重要】漏えい発覚時に順番どおり実行する6つの対処ステップ

情報の漏えい通知や報道を確認したあとは、以下の6つの手順を番号順に進めることが鉄則です。

ステップ1:公式サイトや公式アプリで「漏えいした情報の種別」を確認する

届いたメールやSNS上の噂話だけで判断してはいけません。必ず該当する事業者の「公式サイトのトップページのお知らせ」や「公式アプリ内の重要なお知らせ」を開き、公表されている正確な事実関係を確認します。不明な点があれば、案内されている正規のサポート窓口に問い合わせてください。

ステップ2:パスワードが含まれる場合は速やかに変更する

漏えいした情報にID(メールアドレス)やパスワードが含まれていた場合、すぐに該当サービスのパスワードを変更します。

その際、推測されにくい「長く複雑な文字列」に設定するとともに、同じパスワードを使い回している他のすべてのWebサイトやアプリのパスワードも直ちに変更してください。攻撃者は漏えいしたパスワード一覧を使って、他の主要サービスへ自動ログインを試みる(パスワードリスト攻撃)ためです。

ステップ3:使えるサービスでは「多要素認証・パスキー」を設定する

パスワード変更と同時に、SMS認証や認証アプリを使った「多要素認証(2段階認証)」、または生体認証を使った「パスキー」を設定します。これにより、万が一IDとパスワードが外部に漏れていても、第三者が不正ログインすることを強力に阻止できます。

ステップ4:クレジットカード情報が含まれる場合は利用明細を確認しカード会社へ連絡する

漏えい情報にクレジットカード番号などが含まれていた場合は、まずカード会社の公式Webサイトやアプリで、直近の「利用明細」に身に覚えのない請求がないか確認します。

日本クレジット協会の案内のとおり、不審な決済が見つかった場合はすぐに契約しているカード会社へ連絡してください。身に覚えのない利用がなくても、不安がある場合や事業者の案内に応じて、カードの利用停止や新しい番号への再発行についてカード会社へ相談しましょう。

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ステップ5:本人確認書類が含まれる場合は「信用情報機関」への本人申告を検討する

運転免許証やパスポートなどの本人確認書類の画像・番号が漏えいした場合は、個人の信用情報を管理する機関(日本信用情報機構JICC、シー・アイ・シーCIC、全国銀行個人信用情報センター)へ「本人申告」を行う制度があります。

「本人確認書類を紛失・盗難・漏えいした」という事実をあらかじめ登録しておくことで、悪意ある第三者があなたになりすまして勝手にクレジットカードを作ったり、ローンを契約したりする不正行為の抑止に役立ちます(登録方法の詳細は各信用情報機関の公式サイトをご確認ください)。

ステップ6:マイナンバーが含まれる場合は総合フリーダイヤルと市区町村へ相談する

マイナンバー(個人番号)が漏えいした可能性がある場合は、まずデジタル庁が案内する「マイナンバー総合フリーダイヤル」へ相談してください。

  • マイナンバー総合フリーダイヤル:0120-95-0178(平日9:30〜20:00、土日祝9:30〜17:30。※マイナンバーカードの紛失・盗難に伴う一時利用停止は24時間365日受付)

マイナンバーは原則として自由に変更することはできません。ただし、漏えいによって不正に用いられる恐れがあると認められる場合に限り、お住まいの市区町村へ請求することで新しいマイナンバーへの変更が可能です。

二次被害を防ぐ!絶対に知っておくべき5つの落とし穴と注意点

情報漏えいが起きた直後は、利用者の不安につけ込む詐欺や、知っておかないと損をする手続き上のルールが存在します。以下の5つの注意点を必ず頭に入れて防衛してください。

1. 漏えいに便乗するフィッシング詐欺メールに騙されない

情報漏えい報道の直後には、「お客様のアカウントが漏えい対象か確認してください」「補償金を受け取るための口座を登録してください」といった偽メールやSMSが大量にばらまかれます。

メッセージ内に記載されたリンクは絶対にタップせず、ブックマークやお使いの公式アプリから直接サービスを開いて確認する習慣を徹底してください。

2. クレジットカードの不正利用補償には「60日」の期限がある

クレジットカードが第三者に不正利用された場合、規約に基づいて被害額が補償される仕組みがあります。しかし、この補償は法律で一律に定められているものではなく、各カード会社の会員規約によって運用されています。

一般的に多くのカード会社で「60日」が届け出の期限の目安とされています。ただし、起算点のルールはカード会社ごとに異なります(例:三井住友カードは「申請日から遡って60日前までの利用」が補償対象と公式FAQに明記。JCBは「該当利用が掲載された明細の通知後60日以内」の届け出が必要など)。

利用明細の確認を何ヶ月も放置していると、不正利用に気づいたときには補償期間が過ぎて全額自己負担になってしまう恐れがあります。「毎月必ず明細を確認し、不審な利用はその日のうちに連絡する」ことが極めて重要です。

3. パスワード変更だけでは防げないケースがある

クレジットカード番号そのものが外部に流出した場合、Webサイトのログインパスワードを変更してもカードの不正利用は防げません。番号が流出している疑いがあるときは、パスワードではなく「カードの利用停止と番号再発行」が必要な対処となります。

4. 事業者発表の「含まれていない情報」も確認する

報道で「情報漏えい」という言葉だけが独り歩きするとパニックになりがちですが、事業者側が「暗号化されているため閲覧できない」「セキュリティコードや有効期限は含まれていない」と発表している項目もあります。無用なパニックや不要な手続きを避けるためにも、公式の発表文面を落ち着いて精読しましょう。

5. 退会・解約した古いサービスでも油断しない

MUJI Cardの事例のように、数年前に使っていたサービスや解約済みの会員情報がシステム内に保管されており、それが不正アクセスの対象になるケースは珍しくありません。「もう使っていないから関係ない」と決めつけず、過去に利用履歴がある場合は公式の案内に目を通すようにしましょう。

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不安やトラブルが生じたときの公的相談窓口まとめ

身に覚えのない請求が届いたり、漏えいに関連した不審な勧誘・連絡を受けて判断に迷ったときは、迷わず以下の公的な相談専用窓口を活用してください。

  • 消費者ホットライン「188(いやや!)」(国民生活センター):漏えいに便乗した契約トラブルや身に覚えのない請求など、消費生活全般の相談を受け付けています(局番なしで発信すると最寄りの消費生活センターを案内)。
  • 警察相談専用電話「#9110」(警察庁):実際に不正利用の金銭被害に遭った場合や、脅迫めいた連絡があるなど、犯罪の恐れがある相談に対応しています。
  • マイナンバー総合フリーダイヤル「0120-95-0178」(デジタル庁):マイナンバー制度全般、およびカードの紛失・不正利用に関する相談窓口です。

まとめ:落ち着いて「種別ごとの対処」を進めよう

情報漏えいの知らせを受けたときは、誰しも慌ててしまうものです。しかし、正しい順番で1つずつ確認していけば、被害を最小限に防ぐことができます。

  • メールやSNSのリンクは開かず、事業者の公式サイト・アプリで「漏えい種別」を確認する
  • パスワードが含まれる場合は速やかに変更し、他のサービスの使い回しもすべて解消する
  • カード情報が含まれる場合は利用明細をチェックし、怪しい利用はその日のうちにカード会社へ連絡する

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日頃からパスワードを長く複雑にして使い回しを避け、多要素認証を設定しておくことや、サービスへの個人情報登録を必要最小限に留めておくことも大切な予防策です。まずは公式のお知らせを冷静に確認することから始めてみてください。

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