中学校の教員の約8割が月45時間以上の残業をしており、約4割が月80時間の「過労死ライン」を超えていることが文部科学省の調査で明らかになりました。
この記事では、中学校教員の残業時間の実態や原因、影響、対策などについて詳しく解説します。
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文部科学省は、2023年度に小中高校の教員の勤務実態調査を実施しました。
この調査では、教員が1日に学校にいる時間や授業以外の業務にかかる時間などを集計しました。
その結果、中学校教員の平均的な勤務時間は以下のようになりました。
中学校教員の平均的な勤務時間について
- 文部科学省が2023年に実施した教員勤務実態調査では、公立校教師の1日当たりの平均勤務時間は、中学校で11時間1分という結果になりました。
- キャリアガーデンというサイトでは、文部科学省が2016年に実施した教員勤務実態調査の結果を紹介しており、そのときは中学校で11時間32分という数字でした。
- ベネッセ教育総合研究所が2012年に行った調査では、中学校教員の学校にいる時間は12時間30分でした。
これらの情報から、中学校教員の平均的な勤務時間は11時間から12時間ぐらいと推測できます。ただし、これらの数字は在校時間だけであり、自宅などで仕事をする「持ち帰り時間」は含まれていません。また、残業時間は月45時間以内とする上限指針を超える教員が多数いることも報告されています。
また、国は指針で教職員の1カ月あたりの時間外勤務の上限を月45時間と定めていますが、この上限を超える教員は中学校で77.1%に上りました。
さらに、月80時間以上の残業をしている教員は中学校で36.0%もいました。
これは、厚生労働省が過労死や過労自殺の判断基準として示している「過労死ライン」と呼ばれる水準を超えています。
このように、中学校教員は依然として長時間労働が続いており、健康や生活に悪影響を及ぼしている可能性が高いと言えます。
中学校教員の残業時間の原因
では、なぜ中学校教員はこんなにも多く残業をしているのでしょうか?
中学校教員の残業時間の原因は、様々な要因が絡んでいますが、主なものとしては以下のようなものが挙げられます。
これらの原因により、中学校教員の5割以上が、国の指針で上限の月45時間を超えて残業するなど、長時間労働が依然として解消されていない状況です。中には、「残業月80時間」過労死ラインに相当する教員も36%に上っています。
まとめ
中学校教員の残業時間は、過労死ラインを超える危険性が高いという現状があります。
長時間労働は教員の健康に悪影響を及ぼすため、業務負担の軽減やメンタルヘルス対策が必要です。
社会全体で教育環境の改善に取り組み、教員が働きやすい環境を整えることが求められます。
教員の長時間労働を改善するため、私たちもできることを考えていきたいです。