デジタル円って何? 知っておいた方が得することある?
デジタル円とは何か?
デジタル円とは、中央銀行が発行するデジタル通貨(CBDC)のことです。CBDCとは、現在流通している紙幣や硬貨と同じように使える電子的なお金のことで、法定通貨と同じ価値を持ちます。
デジタル円は、スマートフォンやパソコンなどのデバイスで管理・送受金できるようになる予定です。また、オフラインでも使えるようにすることも検討されています。
デジタル円を発行する目的は何か?
デジタル円を発行する目的は、主に以下の3つです。
- 現金の利用減少に対応する
- 国際決済の効率化・安全性の向上を図る
- 金融システムの安定・イノベーションを促進する
現金の利用減少に対応するためには、デジタル円が現金と同じように広く普及し、信頼性や利便性が高くなる必要があります。また、現金と同様にプライバシーを保護し、誰でも使えるようにすることも重要です。
国際決済の効率化・安全性の向上を図るためには、デジタル円が他国のCBDCや暗号資産(仮想通貨)などと相互運用できるようになる必要があります。また、為替レートや送金手数料などのコストやリスクを低減し、時間や場所に関係なく決済できるようにすることも重要です。
金融システムの安定・イノベーションを促進するためには、デジタル円が既存の金融サービスや新たなビジネスモデルと連携できるようになる必要があります。また、金融機関やフィンテック企業などの多様なプレーヤーが参入しやすくなり、競争力や付加価値が高まるようにすることも重要です。
デジタル円はいつから使えるようになるか?
デジタル円はまだ実現していません。日本では日本銀行が2021年4月からデジタル円の概念実証をスタートしました。この実証では、デジタル円の流通における基本的な機能を技術的に検証しています。具体的には、
- 発行・流通
- 決済
- 相互運用
の3つの分野について、実験的にデジタル円を発行・流通させています。
日本銀行は、2021年度中には第一段階の実証を終え、2022年度からは第二段階の実証を開始する予定です。第二段階では、民間事業者や一般ユーザーなどの協力を得て、より実際に近い環境でデジタル円の機能や性能を評価します。
日本銀行は、デジタル円の発行については「必要性や可能性を慎重に検討する」としており、具体的な時期や方法は未定です。ただし、欧米や中国などではすでにデジタル通貨の開発や試験が進んでおり、日本も遅れないように準備を進める必要があります 。
デジタル円は銀行とどう関係するか?
デジタル円は銀行と密接に関係すると考えられます。デジタル円の発行・流通の仕組みには、主に以下の2つのモデルがあります。
- 直接モデル
- 間接モデル
直接モデルとは、中央銀行が直接一般ユーザーにデジタル円を発行・管理するモデルです。この場合、中央銀行がデジタル円の口座やウォレットを提供し、決済や送金などのサービスを行います。このモデルのメリットは、中央銀行がデジタル円の供給量や流通状況を把握しやすくなり、金融政策の効果が高まることです。また、一般ユーザーは中央銀行が保証する安全・信頼性の高いお金を使えることです。しかし、このモデルのデメリットは、中央銀行が大量の個人情報や取引履歴を管理することになり、プライバシーの保護やセキュリティの確保が難しくなることです。また、銀行などの金融機関が預金や貸出などの役割を失い、金融システム全体の安定性や効率性が低下する恐れがあることです。
間接モデルとは、中央銀行が間接的に一般ユーザーにデジタル円を発行・管理するモデルです。この場合、中央銀行は銀行などの金融機関に対してだけデジタル円を発行し、金融機関が一般ユーザーに対してデジタル円を提供します。このモデルのメリットは、既存の金融システムと互換性が高く、導入しやすいことです。また、銀行などの金融
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機関がデジタル円の口座やウォレットを提供し、決済や送金などのサービスを行います。このモデルのデメリットは、中央銀行がデジタル円の供給量や流通状況を把握しにくくなり、金融政策の効果が低下することです。また、一般ユーザーは銀行などの金融機関が倒産したり、サイバー攻撃を受けたりするリスクにさらされることです。
日本では、現在のところ、間接モデルが有力視されています。これは、日本の金融システムが銀行中心であり、銀行が多くの顧客やネットワークを持っていることが理由です。また、日本銀行は、銀行などの金融機関と協力してデジタル円の実証を進めており、その成果をもとにデジタル円の発行・流通の仕組みを検討するとしています。
デジタル円のメリット・デメリットは何か?
デジタル円には、以下のようなメリット・デメリットがあります。
メリット
- 現金と同じように使える安全・信頼性の高いお金になる
- 決済や送金がスピーディーで安価になる
- オフラインでも使える可能性がある
- 国際決済が効率化・安全化する
- 金融システムの安定・イノベーションが促進する
- 金融政策の効果が高まる
デメリット
- プライバシーの保護やセキュリティの確保が難しくなる
- 銀行などの金融機関の役割や収益が減少する
- 金融システム全体の安定性や効率性が低下する
- 金融政策の効果が低下する
- デジタル通貨間の競争や摩擦が生じる
まとめ
デジタル円とは、中央銀行が発行するデジタル通貨(CBDC)であり、現在日本では実証実験が進められています。デジタル円は現金と同じように使える安全・信頼性の高いお金になることが期待されますが、プライバシーやセキュリティなどの課題もあります。デジタル円は銀行と密接に関係し、金融システム全体に影響を与える可能性があります。デジタル円については今後も注目していきましょう。